#022『生活保護受給手続きの流れ』
福岡・博多駅徒歩1分の行政書士事務所 『LEGAL BASE』 代表のSanukiです。
「生活保護」については、皆さんもニュースや身近な生活の中で聞くことがあるかと思います。今回は、生活保護について、流れを簡単に整理して見ていきましょう。
生活保護受給手続きの流れ
生活保護とは
生活保護は、経済的に困窮している方が健康で文化的な最低限度の生活を送れるよう、国が支援する制度です。病気や失業、高齢などの理由で収入が得られず、生活に困っている方が対象となります。
生活保護受給手続きの流れ
1. 事前相談
まず、お住まいの地域を管轄する福祉事務所の生活保護担当窓口に相談します。この段階では、生活保護制度の概要説明や、申請に必要な書類についての案内を受けることができます。相談は予約なしでも可能ですが、事前に電話で予約しておくとスムーズです。
2. 申請書の提出
相談後、生活保護の申請を希望する場合は、申請書を提出します。申請に必要な主な書類は以下の通りです。
| – 生活保護申請書 – 収入申告書 – 資産申告書 – 扶養義務者に関する届出書 – 本人確認書類(運転免許証、健康保険証など) – 通帳のコピー – 賃貸契約書(賃貸住宅の場合) |
申請書は福祉事務所で入手できます。申請は本人または同居の家族が行うことが原則ですが、病気などで本人が行けない場合は代理人による申請も可能です。
3. 調査
申請後、福祉事務所のケースワーカーによる調査が始まります。調査内容は以下の項目です。
| – 家庭訪問調査: ケースワーカーが自宅を訪問し、生活状況を確認します – 収入調査: 給与明細、年金証書などで収入状況を確認します – 資産調査: 預貯金、不動産、自動車などの資産を調査します – 扶養義務調査: 親族に扶養の可能性があるか確認します – 就労可能性調査: 働ける状態かどうかを判断します |
この調査期間は通常2週間程度ですが、状況によっては最長30日程度かかることもあります。
4. 審査・決定
調査結果をもとに、福祉事務所が生活保護の支給可否を決定します。申請から原則14日以内(特別な理由がある場合は30日以内)に、書面で通知されます。
支給が決定された場合、生活保護費は申請日まで遡って支給されます。不支給となった場合、その理由が明記され、不服がある場合は審査請求を行うことができます。
5. 生活保護費の支給開始
支給決定後、毎月初めに生活保護費が支給されます。支給方法は銀行口座への振込または福祉事務所での現金支給です。支給額は、厚生労働大臣が定める基準に基づき、世帯の人数や年齢、地域、住宅費などを考慮して決定されます。
6. 生活保護受給中の義務
生活保護を受給すると、以下の義務が生じます。
| – 収入や資産状況の変化を速やかに届け出る – ケースワーカーの家庭訪問に協力する – 就労可能な場合は求職活動を行う – 生活保護費を適正に使用する |

行政書士ができるサポート
行政書士は、生活保護の申請手続きにおいて、以下のようなサポートを提供できます。
1.書類作成のサポート
生活保護申請には複数の書類が必要です。行政書士は、申請書や収入申告書、資産申告書などの記入方法をアドバイスし、正確な書類作成をサポートします。記入漏れや誤りがあると審査が遅れる原因となるため、専門家のチェックは有効です。
2.添付書類の準備サポート
必要な添付書類の収集や整理をサポートします。どの書類が必要か、どこで入手できるかなど、具体的なアドバイスを提供します。
3.相談同行サービス
福祉事務所への初回相談や申請時に同行し、申請者の話を整理して担当者に正確に伝えるサポートを行います。特に、説明が苦手な方や不安を感じている方にとって心強い味方となります。
4.不服申立ての支援
申請が不支給となった場合、審査請求の書類作成や手続きをサポートします。不支給の理由を分析し、適切な主張を行うための書類を作成します。
5.生活保護以外の制度の案内
生活保護以外にも、傷病手当金、失業給付、障害年金など、活用できる制度がある場合があります。行政書士は、個々の状況に応じて適切な制度を案内し、それらの申請サポートも提供できます。

まとめ
生活保護の申請手続きは、複数の書類準備や調査への対応など、複雑な面があります。経済的に困窮している中での手続きは、精神的にも負担が大きいものです。行政書士のサポートを受けることで、正確かつスムーズな申請が可能となり、受給開始までの期間を短縮できる可能性があります。
生活に困っている場合は、一人で悩まず、まず福祉事務所に相談することが第一歩です。そして、手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。適切なサポートを受けながら、安心して申請手続きを進めましょう。
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