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#030『時効の援用とは?NHK受信料の場合』

福岡・博多駅徒歩1分の行政書士事務所 『LEGAL BASE』 代表のSanukiです。

 

当事務所への相談でたまにある例ですが、NHK受信料の支払いを何年もしていないので、時効を主張したいというご相談です。

今回は、NHK受信料の場合を例に、「時効の援用の制度」について解説します。

 

なお、本記事は、NHK受信料についての支払拒否や滞納を推奨する記事ではないことを最初に申し上げておきます。支払いを怠ることによる不利益について当事務所は、一切関知致しませんのでご承知おきください。

 

NHK受信料の時効援用の手順と法的根拠

 

NHK受信料と時効の基本

NHK受信料の支払い義務には時効が存在します。民法の規定により、NHK受信料の消滅時効は5年です。つまり、受信料の支払い義務が発生してから5年間が経過すると、時効によってその支払い義務を消滅させることができます。

 

時効援用とは何か

時効援用とは、時効期間が経過した債権について時効を主張します」と債権者に意思表示することです。民法第145条に基づき、時効は援用しなければその効力(時効の効力)が発生しません。

つまり、時効期間が過ぎただけでは自動的に支払義務が消滅せず、債務者側から時効を主張する必要があります。

 

NHK受信料における時効のカウント

NHK受信料の時効は、各月の受信料ごとに個別に進行します。例えば、2018年1月分の受信料は2023年1月に時効を迎えます。一括して全期間の時効が成立するわけではなく、各月ごとに5年が経過したものから順次時効となります。

ただし、NHKが訴訟を提起した場合や、債務者が受信料の支払いを承認した場合には、時効が中断(更新)されるため注意が必要です。

 

 

時効援用の法的手順

 

  1. 時効期間の確認

まず、未払い受信料がいつから発生しているかを確認します。NHKからの請求書や督促状に記載されている期間を基に、5年が経過している受信料を特定します。

 

 

  1. 時効援用通知書の作成

時効援用は口頭でも可能ですが、証拠を残すため内容証明郵便で通知するのが一般的です。通知書には以下の内容を記載します。

  • 通知人(債務者)の氏名・住所
  • NHKの正式名称と住所
  • 時効を援用する旨の明確な意思表示
  • 時効期間が経過している具体的な期間
  • 通知日付

 

  1. 内容証明郵便での送付

作成した時効援用通知書を、配達証明付きの内容証明郵便でNHKに送付します。これにより、いつ、どのような内容の通知を送ったかという証拠が残ります。

 

 

時効援用の法的根拠

時効援用の根拠は以下の法律に基づきます。

民法第145条(時効の援用) 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

民法第166条(債権等の消滅時効) 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

 

NHK受信料は放送受信契約に基づく債権であるため、この民法の規定が適用されます。

 

 

時効援用の注意点

 

時効の中断事由

以下の場合、時効が中断(更新)されます。

  • NHKが裁判を起こした場合
  • 受信料の一部を支払った場合
  • 支払いを約束した場合(債務の承認)

これらの行為があると、時効期間がリセットされるため、安易に支払いを約束したり、一部支払いをしないよう注意が必要です。

 

消滅時効と除斥期間

判決が確定している場合、その債権の消滅時効は10年となります。また、時効援用ができるのは債務者本人やその相続人など、正当な利益を有する者に限られます。

 

 

まとめ

NHK受信料の時効援用は、民法に基づく正当な権利行使です。時効期間の経過を確認し、適切な手順で援用通知を行うことで、古い未払い受信料の支払義務を消滅させることができます。ただし、時効の中断事由や法的な複雑さもあるため、不安な場合は弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

また、当事務所ではNHKへの問い合わせや交渉行為は弁護士法順守の為、行いませんのでよろしくお願いします。

 

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