#037『定期借家契約とは』
福岡・博多駅徒歩1分の行政書士事務所 『LEGAL BASE』 代表、行政書士・宅地建物取引士のSanukiです。
賃貸物件を探していると「定期借家」という言葉を目にすることがあります。相場より安い物件に多く見られるこの契約形態ですが、一般的な賃貸契約とはどう違うのでしょうか。今回は、定期借家契約の特徴と普通賃貸借契約との違いについて、わかりやすく解説します。
定期借家契約とは?普通賃貸借契約との違いを解説
目次
定期借家契約の基本
定期借家契約とは、契約期間があらかじめ決まっていて、期間満了とともに契約が終了する賃貸借契約のことです。2000年の借地借家法改正により導入された比較的新しい契約形態で、契約期間は1年未満でも設定可能です。
この契約の最大の特徴は、契約期間が終われば原則として退去しなければならない点にあります。貸主と借主の双方が合意すれば再契約できますが、借主に更新を求める権利はありません。
普通賃貸借契約との5つの違い
1. 契約の更新
最も大きな違いが更新に関するルールです。
普通賃貸借契約では、借主が希望すれば基本的に契約を更新できます。貸主が更新を拒否するには「正当な事由」が必要で、借主の居住権は強く保護されています。
一方、定期借家契約は契約期間が満了すれば自動的に終了します。貸主に更新を断る正当な事由は不要で、再契約するかどうかは貸主の判断次第です。
2. 契約期間
普通賃貸借契約の期間は原則として1年以上と定められており、1年未満の契約を結んでも期間の定めがない契約とみなされます。
定期借家契約には期間の下限がなく、数ヶ月単位の短期契約も可能です。転勤や建て替え予定など、貸主側の事情に応じて柔軟に期間を設定できます。
3. 中途解約
普通賃貸借契約では、借主からの中途解約は比較的容易です。契約書に解約予告期間(通常1〜2ヶ月)が定められていれば、その期間を守って通知すれば退去できます。
定期借家契約の場合、原則として中途解約はできません。ただし、床面積200平方メートル未満の居住用物件で、やむを得ない事情(転勤、療養、介護など)がある場合は、中途解約が認められています。また、契約書に中途解約の条項があれば、その内容に従って解約可能です。
4. 家賃
定期借家契約の物件は、普通賃貸借契約と比べて家賃が相場より安く設定されていることが多いです。契約期間が決まっているため、貸主側が借主を集めやすくする狙いがあります。
また、普通賃貸借契約では借主に不利な家賃の値上げは難しいですが、定期借家契約では契約更改時に市場価格に合わせた家賃変更がしやすいという側面もあります。
5. 契約方法
普通賃貸借契約は口頭でも成立しますが、定期借家契約は必ず書面(または電磁的記録)で契約しなければなりません。さらに、契約前に貸主は「契約の更新がなく、期間満了で終了する」ことを書面で説明する義務があります。
この事前説明を怠ると、契約は定期借家契約として認められず、普通賃貸借契約とみなされる可能性があります。

貸主はどちらを選ぶべきか
定期借家契約が向いているのは、将来的に物件を自己使用する予定がある場合や、一定期間だけ賃貸に出したい場合です。転勤で数年間だけ家を空ける、建て替えまでの期間だけ貸し出す、子どもの進学に合わせて将来戻ってくるといった予定があるなら、確実に物件を返してもらえる定期借家契約が適しています。また、借主の属性や家賃支払い状況を見て再契約を判断できるため、トラブルのリスクを抑えやすいメリットもあります。
一方、長期的に安定した賃貸収入を得たい場合は普通賃貸借契約がおすすめです。借主が長く住み続けることで空室リスクが減り、入居者募集や原状回復の費用も抑えられます。優良な借主であれば、更新を重ねることで安定した賃貸経営が可能になります。

まとめ
定期借家契約は、期間限定で物件を貸し出したい貸主のニーズと、短期間の入居や家賃の安さを求める借主のニーズをマッチングさせる仕組みです。契約更新がない、中途解約に制限があるなど注意点はありますが、自分の生活スタイルや入居期間に合っていれば、メリットの大きい選択肢といえます。
賃貸契約を結ぶ際は、自分の状況をよく考えた上で、どちらの契約形態が適しているか判断することが大切です。
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参考リンク
より詳しい情報については、以下の公的機関のページをご参照ください。
- 国土交通省:定期建物賃貸借について
定期借家制度の概要やパンフレット、Q&Aが掲載されています - 国土交通省:定期賃貸住宅標準契約書
標準的な契約書のひな形や作成時の注意点を確認できます - 国土交通省:定期建物賃貸借Q&A
契約の締結方法、中途解約、再契約など具体的な疑問に答えています
